2009年10月4日日曜日

小さな悪魔

2009年10月3日つまり昨日は、人生の中で一番の記念すべき日、
HIV陽性であることを告知された日なんだ。

まだ病院には行っていない。

午後、保健所に行ってそのことを告げられた。

思えば危険な行為をしてから2週間たち
今までにない苦しい風邪を引いたことが、
検査を決意したきっかけといえる。

とにかくあのときはひどかった。

発熱に加えて、背中と体中の関節の痛みで苦しみ、
ちっとも立ち上がれず、もがき苦しむだけ。
高熱が少し引いたと思ったら、
今度は、胸、腹、両腕に発疹もできて、これは2日間くらししたら
消えたけど、ますますおかしいと思った。

3日目にフラフラの体で、なんとか近くの町医者を受診し、
抗生物質をもらって熱をちらしながら生活していた。

それでも2週間くらいは食欲もなく、
背中の痛みがいつまでたっても引かず、
「なんかこれはおかしい…」と思っていたわけだ。

2週間前の危険な行為が頭をよぎる。
ひょっとして…感染したんじゃ…。

ものすごく不安になり、
インターネットでHIVの初期症状を
調べまくったら、とある保健所のサイトに
ほとんど今と同じような症状が載っていた。

断っておくけど、もちろんこれは自分がそう思っただけ。
俺のような症状が出たからといって、
HIVと即断はできない。

たまたま、インフルエンザなどの感染症や
不摂生な生活(そのころ深夜の残業が続いていた)が
重なって、変なかぜをひいたに違いない。

そんなに深刻に考えることはないさ。
きっと偶然でこんなに症状が重くなっているだけだよ。

そう、思っていた。

けれど、やっぱり不安はぬぐえない。
それまでやっていた発展場通いやその場限りのセックスは
一切中止して(そんな気になれなかった)、
とりあえず、検査するまでやらないよう言い聞かせた。

休日に検査をやっている保健所は
前々から知ってはいたが、いざ受けようとなると
気が重くてちっとも行く気がしない。

「60日以上たたないと正確にはわからないって言っているし、
まだいいよな」なんて思いながら、
やっと決心して予約を入れた日にちは、
危険な行為をしてから60日と少し過ぎていた。

で、今日、結果を聞いてきたら、
見事に陽性だったというわけ。

医師やカウンセラーに検査の経緯を
話したら、「そのときに感染した可能性はあるけど、それ以前に感染したかもしれない、
いずれにしても病院で詳しく調べないとね」とどちらにも言われた。

実は検査は今回がはじめてだった。
だからいつまでが陰性だったか、正直不明なのだ。

自分でも無自覚な状態がどの程度続いたか知らないが、
ウイルス量とCD4の値がどれほどのものか、
近いうちに分かることになる。

HIVウイルスとの付き合いはまだはじまったばっかりだ。

性欲にまかせてハイリスクなセックスばかり
してきたと思う。
俺の中の小さな悪魔が暴れだして、
あらん限りの欲望をどん欲に満たそうとする。
それを抑えることができず、
頭では感染は怖いと思っていても、
目の前の快楽に理性を失ったクチだ。

ただし、これがきっかけで考え方が
次第に変わってきたような気がする。
あれからセックスはしていない。
まあ、これから一生やらないっていうのは
正直無理かもしれないけど、
そんときは絶対セーフでやると決めている。

今は、探す気になれないや。
こんなに長期間おとなしくできるんだったら、
週末ごとに違う相手とセックスなんて
しなくてもよかったのになあ、と思う。

けどそんなこと考えてもあとの祭りか。
とにかくまずは初診を受けなければ。

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